「良い万年筆なんだろうけどパッとしない万年筆が欲しい!」
螺鈿朱鷺を初めて見たのはパンフレットででした。パイロットの90周年記念モデルが出ると言う噂は夏のはじめ頃から聞いていて85周年の飛天、88周年の仁王、と蒔絵で来ていたので「90周年はどんな蒔絵になるんかな〜」と勝手に想像逞しくしてました。そしてその勝手な想像が行き過ぎていたためパンフレットで見た螺鈿朱鷺の姿にかなり落胆したのを覚えています!
そんなに落胆したんなら買わんかったら良いのに、調子の良いShenさんはあろうことか夏の真っ盛りにPen and message.さんにて「90周年出たら多分買うな〜買うやろな〜」と意味あり気な発言を繰り返していたのです!まだ出てもいないし、しかも出るかどうか分からない、その上見た事も無い万年筆をよくもまあ……今思い返すと夏の熱さに頭をヤラレていたとしか申せません!(笑)
パンフレットを見た翌日、仕事の昼休みにPen and message.に電話です!「Kさ〜〜ん、螺鈿朱鷺見た?どう思う?かなり微妙ちゃうかな〜、って言うか地味?みんなどんなに言うてる?」他人の反応はどうなんだろうと気になってる小心者のShenさん!「みんな中々良いって言うてはりますよ!Shenさんも逝くんでしょ?」などと宣うKさん!しかもすでに購入者リストにロックオンされてる!まあ身から出た錆、口は災いの元!「イヤ〜ちょっと迷ってるンよ〜思ったより地味な感じがしてな〜螺鈿やったらキャップレスの螺鈿があるしな〜それならそんだけの値段せえへんやん!どうしょうかな〜って思ってるんや〜」と逃げ腰です。
アレコレ話をしてると90周年のペン先はF/M/Bの三種類のどれが人気かな?って話になってしまい、ここですかさずKさんは「Shenさんは当然Bですよね?多分Bは人気があるから、すぐに予約で埋まってしまいますよ〜〜」と迷える子羊と化しているShenさんに悪魔のささやきです!い、いかん!何か買ってしまいそうになってきた〜そして最後にKさんは決定的な一言を!「まあ無理にとは言いませんけど〜〜〜どうします?」
「Bでお願いします!」堕ちた………
……そんな遣り取りが会ってから、木枯らし吹く年の瀬に、きらびやかな螺鈿を纏った「朱鷺」はみずうみのほとりに飛んできました!ペン先Bの制作は後回しにされたようで10/1のパイロット90周年の日から大幅に遅れました!しかしShenさんにはこの長い待ち時間が「螺鈿朱鷺」の良さを再認識する絶好の時だったとおもいます!
まず本物を見て1番に思ったのは「なんちゅう写真うつりの悪い万年筆なんや〜」パンフレットの写真は本物の良さを全然表現出来てないやん!やっぱり本物見てみなアカンな〜これやったらイケル!どなたかのブログで「高級な和服のような」ッて表現がありましたが、まさに的を射た表現だと思いました!あの時のKさんの悪魔の囁きは、実は天使の祝福だったんだなあ〜〜感謝です!
今Shenさんのペンケースの中で一番良い位置を占めている「螺鈿朱鷺」です!